ヘルニアの痛みもなくなり、体型もスリムに!介護の現場に応用し、家族を守るためにも武術性を究めていきます!

◆戸田未来さん(20代)

大学まで約10年野球を続け、身長177cm・体重77kg。また、体脂肪も10%未満とトレーニングで鍛え上げてきました。しかし大学2年時に腰と下半身に不調を覚え、病院に行くと椎間板ヘルニアと診断されました。医者からは今後長時間の激しいスポーツはしない方がいいと言われ、長年野球をしてきた私としてはショックでしたが、野球をあきらめることができませんでした。そこで、太極拳は体にいいとは聞いていたので、地元のカルチャー教室で24式太極拳をリハビリがてら始めました。

当初は体の調子も良かったのですが、上手くなるにつれて下半身に激痛が走るようになりました。24式は見栄えのするポーズをとる必要があるため、無理に体を曲げたり伸ばしたりしたためだと思います。それでも太極拳の面白さを知りました。

そこで本格的に始めたいと思い、色々な道場を調べ、アクティクラブの門を叩きました。伝統ある太極拳と気功を先生は丁寧に指導して下さり、無理な姿勢もないため自宅でも毎日1時間ほど練習できました。約三ヶ月後、腰と下半身のしびれと痛みがウソのようにやわらいでいました。以前まで歩くだけでもかなりしんどかったのですが、痛みもなく歩けるようになったのには感激しました。それからも毎日練習すると、ヘルニア持ちということを忘れるぐらい体の調子も良くなり、しびれと痛みも無くなってしまいました。治らなければ手術も考えていたので、本当に嬉しかったです。この頃になると野球への気持ちは無くなっていました。一年半経った頃、野球時代は練習しても中々上達しなかったのですが、太極拳は練習すればするほど上達していきます。そして、入門後1年余りで某連盟の推手トーナメントに参加し準優勝という成績も収めることができました。

太極拳を始めてもうすぐ四年になりますが、体重がどんどん落ちていき、今では62kgまで落ちました。スリムな体型になりましたが、筋肉を鍛えていた頃よりも不思議とパワーがあります。いかに無駄な筋肉をつけていたかということがわかりました。今では太極拳の武術性・健康面共に極めたい、そしていつか伝えていきたいと思い、先生の下、アクティクラブで練習をしています。

追記2012年)

アクティクラブに入門して6年が過ぎました。私は現在、特別養護老人ホームで勤務をしています。利用者にはリウマチ等が原因で身体が思うように動かせない御高齢者が多数おられます。そういった方々が少しでも身体が楽になるように、勤務の中で太極拳の知識を応用したリハビリ指導を行っています。

特に五十肩やリウマチの方にはとても効果があります。例えば、五十肩で腕を肩のラインまで上げられなかった方が、週に5回・10~20分のリハビリに加えて私の指導したメニューを少しずつ行ってもらうと、約一カ月後にはバンザイに近い位置まで腕が上がるようになりました。他の利用者さんで、リウマチのために常に車椅子で生活をしており、本当は色々な所へ出掛けたい思いがありながらも外出行事にも参加できない方がおられました。当初はリハビリに対して消極的でしたが、肩が以前より動くようになったことがわかってから、とても熱心にリハビリをされるようになり、遂には杖をついて10m程歩けるようにまでなりました(支える介助は必要ですが)。それからは気持ちも明るくなり、食事もほとんど介助なしで、一人で食べられるようになりました。外出行事に関しては、冬の寒い中のルミナリエのハートフルディにも参加されて、とても喜んでおられた様子は今でも印象に残っています。

太極拳は高齢者や体の不自由な方でも、椅子に座った状態でも、無理なく行うことができます。また、リハビリテーションやレクリエーション、リラクゼーションとしても非常に効果があり、今では自信を持っておすすめすることができます。

私自身はと言いますと、日々練習を積み重ね、体格でははるかに上回る某フルコンタクト空手有段者の人達とも互角に組手ができるほどになりました(空手ルールで)。太極拳の武術面に疑問を持たれる方も多いとは思いますが、正式な直系で実力と指導力の優れた先生の下で教わった太極拳の強さを証明することができました。今では身体が勝手に反応して技が出るほどです。以前、妻と街を歩いていると、前から「いかにも」という二人組が歩いてきてその一人が私に体当たりをしてきました。私は推手の技を使って、身体に触れさせもせずに相手を捌(さば)き、何事もないように通り過ぎました。事は一瞬でしたが、妻は今でも「あの時は怖かった」と言っています。現在は子どもが二人いますので、家族を守るためにも太極拳は一生続けるつもりです。

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